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エンジニアから転身!つくるべきものを提案し、実現へと導くカタリストの仕事とは

チームラボのさまざまなプロジェクトにおいて、その舵取りを担う「カタリスト」。チームラボにはシステムを得意領域とするカタリストをエンジニアから輩出していくことを目標にした「カタリストアカデミー」という教育制度も存在しています。今回は、エンジニアとして入社後に「カタリストアカデミー」を経てカタリストへと転身した伊藤航太にインタビューしました。

伊藤航太 カタリスト
1995年、東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2020年に中途採用でチームラボエンジニアリング入社後、テスター、バグ改修などを経て2022年にチームラボへ転籍。フロントエンジニアとして新規開発に携わり、2023年からはカタリストとして、保守運用、新規開発案件を担当。


チームラボ入社前のキャリア-手に職を得られるエンジニアに未経験から挑戦

-チームラボ入社前のキャリアについて教えてください。

新卒で入社したのは通信販売の会社です。テレビショッピングやEC周りを担当し、広告としての表現のチェックのほか、クーポンなどの販促施策にも携わりました。さまざまな施策のアイディアを考えましたが、お客様との接点はアプリ経由が多く、直接アプローチできないことにもどかしさもあって……。もともと「社会人としてまずは商売について学ぼう」と考えて入社したのですが、それがアプリなどに集約されるのであれば、やはりエンジニアを経験する必要があると考えるようになりました。

当時はちょうど、プログラミングスクールが盛り上がっていた時期です。「手に職をつけなければ」という思いもあり、未経験からエンジニア転職まで支援するスクールに通いはじめました。そうして転職活動をする中で内定を頂いたのが、チームラボエンジニアリングです。入社後はテスターからはじめ、徐々に自分でバグの原因を解明して改修したりもできるようになり、その後はエンジニアとしていくつかの案件にも関わりました。

カタリストへの転身-つくるべきものを見定め、お客様に伝えることを軸に

-未経験からエンジニアになり、そこからカタリストに転身した背景には、どのような思いがあったのでしょうか?

エンジニアとして働いた数年間、優秀な先輩方と一緒に仕事をする機会がたくさんありました。本当にみんな技術が大好きで、常に新しい技術のインプットを欠かさない方ばかりで、純粋に尊敬の念を感じる半面、「自分にはそこまでできないかも……」と感じることも多々ありました。スペシャリストとして活躍したいという目標も持っていたのですが、徐々に「その目標に向かって走りつづけるのは難しいのでは?」とも感じるようになっていきました。

その一方で、お客様と交渉したり、エンジニアとしての知識を活かして「何をどのようにつくっていくべきか」を提案したり、相談できる点は自身の強みだと感じていて、カタリストであればその強みを活かせるのではないかと考えるようになりました。直接お客様に説明をするような場面でも、すんなりと理解していただけることが多かったので、コミュニケーションを自身の主軸に据えても良いのではないかなと。

それに、参加していたプロジェクトのカタリストの方が、重要な場面できちんとお客様に説明して納得していただいている姿は純粋にかっこよくて(笑)。その様子を見ていると気が引き締まる思いもあり、カタリストアカデミーへの参加を経て正式にカタリストとなりました。

-カタリストになって、どのような気づきや変化がありましたか?

エンジニアとして働いていた当時は、いい意味でも悪い意味でも視野が狭くなっていたことに気づきました。「プロダクトは動くのか」「パーツは汎用的に使えるのか」といったことを日々考えながらコードのロジックをひとつひとつ見ていたわけですが、カタリストになってからはコードをみることはあっても書くことはほとんどありません。「何のために、何を、誰につくってもらい、どうやってリリースまで持っていくのか」を決め、お客様に説明した上で実際に進めていくことが責務になったことで、強制的に視野が広がったのではないかと思います。

それでも「チームでものづくりをする」という意識は、エンジニアでもカタリストでも同じです。やはり僕たちは“チーム”ラボというだけあって、チームで相談しながらつくり、レビューをもらい、テストを重ねて改善し、クオリティをあげていく……といったプロセスを大切にしています。お互いに意見を出しあいながらいいものをつくっていくことが、ポジションが変わっても変わらない僕たちのコアなのだと実感しました。

カタリストの仕事-強みを活かし、提案を重ねてより良いものづくりを実現する

-これまでにカタリストとして担当したプロジェクトで、印象的だったものについて教えてください。

飲料に特化したECサイトのリニューアルと、その後の運用です。2020年末にリニューアルし、はじめの1,2年は安定運用を心がけていましたが、最近では画面構成を変更したり、メルマガやクーポンをお客様毎に送り分けできるようにしたりと、売上につながる施策の実装や改善なども進めているところです。もともとはエンジニアとして参画し、リニューアルから1年ほどは保守運用を担当していたのですが、現在はカタリストとして携わっています。

-どのような部分が印象的でしたか?

商材の性質上、ダイレクトに正確な商品名から検索する難易度が高く、導線づくりが非常に難しいです。一方で、値段に限らず、商品に付随するデータは膨大にあるので、検索の設定はいくらでもできます。だからこそ、「どんなECサイトにするか」が非常に重要でした。オンラインで初めて買ってみようという方にも使いやすいサイトであるために、レコメンドの強化や料理との相性診断など多様な切り口で商品をおすすめできる機能など、お客様とアイデアを出しあって、リリースまで持っていくことができました。

-プロジェクトを進める上では、どのようなことを重要視していますか?

お客様と向き合い、適切に説明することですね。このプロジェクトでは、「システムでどこまでできるか」を重点的にお話ししました。機能を追加できたとして本当に運用できるのかどうかなど、システム面に関してさまざまなご提案を行い、ディスカッションさせていただきました。

カタリストとは?ー多様な領域のスペシャリストを巻き込む人

-カタリストという仕事の醍醐味を、どういった部分に感じていますか?

「信頼されている」と目に見えるように感じ取れることでしょうか。自分がエンジニアだったころはお客様と直接話す機会があまりなかったので、信頼を直接感じるのが難しいことも多かったのですが、カタリストはお客様から直接相談をいただくことが多いので、それはやはり嬉しいですね。

あとは、コストやスケジュールに対する意識を持てるようになったことです。エンジニア時代はコードを通じてつくることへの意識が強かったですが、カタリストになり、お客様も大きな金額を投じているということを改めて意識するようになりましたし、スケジュールに関しても、1日の遅れが各セクションにどのような影響を及ぼしているのか認識できるようになりました。コストやスケジュールといった現実的な視点を鑑みながら、チームで議論を重ねてより良いものをつくっていく意識が持てるようになったのは、カタリストになったからこそだと感じています。

-カタリストとして、大切にしていることはありますか?

「頼り上手になる」ことです。エンジニアであれば最悪自分でコードを書けばなんとかなりますが、カタリストはコードはほぼ書かないし、デザインを作ることもなく、自分だけでは何も生み出すことができません。だからこそ「〇〇のことならあの人に相談しよう」という存在を見つけて、都度相談して意見をもらうといった動きが、良いものづくりをする上ではとても大切になるのです。

あとは、やはりいつでも明るく前向きに振る舞うこと。カタリストの醸し出す雰囲気は一気にチームに伝播するもので、にこやかに笑っていたらどこかホッとするし、前向きに取り組む気持ちになれます。「やばい……」という場面でもただ焦って闇雲になるのではなく、しっかり切り替えて「やばいね!では、どうしましょうか?」と冷静に判断して物事を進めていくことができたらと思っています。

-一言で言うのであれば、カタリストはどんな人ですか?

「巻き込む人」でしょうか。システムに関する最低限の知識を身につけて、自分の中で仮説を持って、それをぶつけながらいろいろな人を巻き込んでいく人。伝わらないかもしれない、反対意見もあるかもしれない、という怖さもありますし、正直わからないこともたくさんありますが、その時は「ごめん!わからないから教えてください!」とチームを頼ってみるべきです。そうやって多様な領域のスペシャリストを巻き込みながら、プロジェクトを前に進める存在だと思います。

-ありがとうございました。最後に、伊藤さんのこれからについて教えてください。

点と点がつながるように、これまでに経験してきたさまざまなことがつながって今があると感じています。未経験からエンジニアに転職したことも、フロントエンドエンジニアとしての開発経験も、そこからカタリストに転身したことも、すべてがつながってきている今が本当に楽しいです。

現在は先述のようなリニューアルのプロジェクト以外に、新規立ち上げのプロジェクトにも携わっています。領域もタイプも異なるお客様がいて、それぞれのニーズに合わせて何をつくるかを考える必要があるので、まったく新しい経験を積むことができています。このプロジェクトは今年の9月にローンチ予定なので、皆さんにご覧いただけるのが今から楽しみです。


いかがでしたでしょうか?
今回は、チームラボのエンジニアからカタリストに転身した伊藤のインタビューをお送りさせて頂きました。
大規模なサービスの開発前からプロジェクトに関わったり、開発案件全体の品質を向上することに興味のある方、ぜひ一緒にチームラボのスペシャリストチームとして働きませんか?

今回ご紹介したカタリストという職種誕生の背景について役員が説明している記事もありますので、是非併せてお読み頂けると嬉しいです!


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次回の「メンバーインタビュー」シリーズもお楽しみに!

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