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世界で勝負できていることも、チームラボの魅力

国内・海外でのアート展示における、企画、提案、制作進行、設営など全体業務に携わる「アートカタリスト」。
コンサルティングファームでの勤務を経てチームラボに転職した経験や、チームラボ入社後に担当したプロジェクト、また初期の頃のチームラボについて語っていただきました。

この記事を読んでわかること
・チームラボの初期の頃の雰囲気
・異業種からチームラボのアートチームに転職した事例
・13年以上働いてみて、チームラボで働く魅力とは


メンバープロフィール

竹井 卓哉 (Takei Takuya)/ アートカタリスト
一橋大学 商学部卒業。野村総合研究所のコンサルティング事業本部にて、マネジメントコンサルタントとして従事した後、2011年よりカタリストとしてチームラボに入社。

チームラボに入った経緯は?

大学時代は学校に行かずに、演劇サークルに没頭していました。でも、役者の才能はなかった。それで、今やってることとも近いのですが、舞台監督を担当していました。あまりに熱中しすぎて、せっかく長野の田舎から、東京の大学に出て来たのに、ひたすら国立(くにたち)に引きこもって、しまいには留年もしてしまいました(笑)

ただ、演劇サークルを引退した時に、せっかく東京にいるので、社会を覗いてみたいなと思っていたところ、たまたま大学内に"ベンチャー社長が来る"という貼り紙を見つけて、ベンチャーってどんなもんだろう? とイベントを覗きに行ってみました。そこに、登壇していた何人かの社長の1人として、猪子さんがいたんです。「愛読書は?」という質問に、真面目にいろんな書物を皆が挙げている中、「愛読書は少年ジャンプ!」と、友情・努力・勝利について、ひたすら熱く語っている猪子さんを見て、やっぱ東京には面白い人がいるなーと(笑)

それで、チームラボが何してる会社か分かっていなかったのですが、「働かせください!」と連絡したら、あっさり「いいよ」と。

そして、「学生だから学生の気持ち分かるだろうから、新卒採用やってよ」と言われて、チームラボとして初めて新卒採用を始めることになりました。その後、チームラボで働くのが楽しくなって、「大学中退するんで、仲間に入れてください」ってお願いしたのですが、入れてもらえなくて、少し悶々としてしまい、卒業後はチームラボには入らずに、戦略コンサルティングの会社に入社しました。後から聞いた話しだと、あの当時はまだ社員も50人くらいの規模で、チームラボも全く無名だったので、万が一、チームラボが潰れたときに大学卒業してないと僕が苦労するだろうと気遣ってくれたようです。

卒業後は、コンサルティングの会社で4年働いたタイミングで、他の会社に転職することを考えてるときに、久しぶりに猪子さんとご飯食べる機会があり、その時に「戻ってこないか?」と言ってもらい、2011年にチームラボに戻ってきました。

チームラボでの最初の仕事内容

チームラボに戻ってきて、最初は企画室というチームのマネージャーをやっていました。経理・法務・総務・人事のチームメンバーのサポートをしながら、チームラボ全体が、のびのび働きやすい環境のまま、きちんとしないといけない部分はきちんとしようと試行錯誤しました。

入社した当時は色々メチャクチャで、正式に入る直前に経理会議にオブザーバーとして参加しました。そこでキャッシュフローのシュミレーションをしたところ、3ヶ月後に現金が尽きる予定になっていました(笑)。僕は勿論めちゃめちゃビックリしたんですが、猪子さんはじめ取締役のメンバーも把握してなかったみたいでした。しかも、そのタイミングで大地震が起きてしまい、「やばい!潰れる!」って騒ぎ始めて、その1週間後くらいに猪子さんがサラリーマン金太郎を参考に、何のアポイントもないのに中東まで飛んで、王子に会おうと突撃していました(笑)。結局、誰も把握していなかったプロジェクトの入金があって、キュッシュアウトは免れたのですが、会社としては、そんな危なっかしい状態でした。

そこで、コンサルタント時代の要領で、社内の様々なメンバーに問題点をヒアリングして、気合いをいれたパワーポイントの資料を作って、全スタッフに共有して、色々変えようとしたのですが、結果それは大失敗しました。

やろうとしたことは今でも間違っていなかった思いますが、それをやりきることが、全くできませんでした。やりきれなかった1番の大きな原因は、皆を巻き込む力が、圧倒的に足りてなかったからでした。コンサルティングをやっていたときは、パワーポイントを作って、クライアントのマネジメント層からOKをもらって、現場のマネージャーに伴走しながら進めていけばうまくいっていたので、同じようにやろうとしたのです。けれども、そもそも当時のチームラボの場合は、普通のメンバーが全社メールで「取締役なんて、くそくらえ!」と猛烈に批判するメールを出すことも良くあって、取締役メンバーもその文化を大事にしてるので、僕がやったアプローチは全く意味がなかったのです。本来は、そんなパワーポイントや取締役からの了承なんてどうでも良くて、関係するメンバーを集めて、実際に変えたい部分のプロトタイプを勝手に作ってテスト運用してみて、それをアップデートしながら、うまくいきそうだったら、そのシステムをみんなに共有すれば、自然と浸透して全体の仕組みになっていったんだと思います。

そんなこんなで失敗後も試行錯誤していたのですが、2013年にチームラボが台北にオフィスを作ることなり、カタリストとして、3年間、台北オフィスの責任者をやりました。台北が一区切りしたその後、2016年にシンガポールに移り、シンガポールを拠点にアジア圏のプロジェクト全般を担当していました。

Circulum Formosa

いまやっているカタリストという役割は?

カタリストとは、触媒、という意味です。チームラボはエンジニア、デザイナー、建築家などがそれぞれ専門領域ごとにチームを作っていて、プロジェクトごとに最適なチームを組みます。カタリストは、触媒として皆が自分の専門領域を少し越えながら、チームとして一緒に試行錯誤しながら、作品のクオリティをギリギリまで上げていけるように、何でもやります。

何でもやると言いましたが、カタリストは、最終的な結果に責任を持つ係だと思っています。結果が出せるように、色んな専門性を持つメンバーの隙間をプロジェクトの状況に応じて何でもやっていく仕事です。具体的には、プロジェクトのアイデア出しから始まって、ビジネス的な条件の交渉・決定、プロジェクトのクオリティ担保のための仕様・リソース・施工の調整、使用する様々な機器の設計・設置などを行います。

特に、ビジネス的な条件の交渉・決定や、様々な人や要素が絡み合う中で、それらの変数を論理的に考えながら取り組む部分は、コンサルタントとして働いた経験がとても役に立っていると思います。また、海外にいるため、クライアントやパートナーのマネジメント層やオーナーと、自分一人でやりとりする機会がとても多いので、そういうすごい方と対峙しても怯まない胆力はコンサルタントとして働いた経験があってこそだと思います。

チームラボの魅力は?

まず、チームラボには、ものすごいポテンシャルがあります!

僕らは、物理空間をデジタル化して、デジタル社会の新しい価値感に繋がる体験を作る試行錯誤をしています。「物理空間」の定義って、ものすごい広いですよね。

チームラボは、美術館でデジタルアートを展示をする方法から始まり、アートだけでなく教育向けの作品も取り入れた「学ぶ! 未来の遊園地」もやっています。また、teamLab Jungleという子供も音楽好きな大人も楽しめる、新しいタイプのミュージックフェスティバルを過去には開催しました。

展示する場所も暗く閉じられた空間だけではなく、シンガポールのマリーナベイサンズの明るいパプリックな空間には、それまであったスケートリンクの代わりに、LEDを使った巨大なチームラボの作品が常設で置かれています。

Strokes of Life

また室内以外でも、Digitized Nature, Digitized City というコンセプトで、屋外の自然を丸ごとデジタルアートにするというプロジェクトもやっています。

そして、これらのプロジェクトのクライアントやパートナーは個々にいますが、全てチームラボの作品やプロジェクトとして発表しています。

また、上記以外にも、たくさんの可能性があります。例えば、ホテル・商業施設・街・都市など、今後デジタル化されていくであろう物理空間は、ものすごい数あります。ここで言うデジタル化するというのは、単純にデジタルテクノロジーで利便性を上げるという意味ではなく、デジタルの力で人々がより楽しく心地よくハッピーになれる空間にしていくという意味です。

あと、世界で勝負できてることも、チームラボの魅力だと思います。現状、物理空間をデジタル化するプロジェクトだと、日本よりも、むしろ海外のプロジェクトの方が多いと思います。

そして、各地域で、その現地のトッププレーヤーとパートナーシップを組んだり、クライアントになって頂いて仕事ができていますし、エリアも東アジアや東南アジアに加え、北米・ヨーロッパ・中東にも広がっています。

Walk, Walk, Walk: Search, Deviate, Reunite

現地のパートナー・クライアントも、チームラボがやろうとしていることを、とてもポジティブに捉えてくださっています。例えばNational Gallery Singaporeでも展示を開催しましたが、この展示は1回目の展示で終わらず2回目の展示オファーを頂けました。

チームラボの作品は、ほとんど全て非言語な体験なので、国を超えていきやすいのだと思います。また、特に海外ではアーティストとして認知して頂いているのも理由だと思います。

そして、これだけ可能性がある分野にもかかわらず、現時点ではまだこの分野に取り組んでいるチームは世界を見渡しても非常に少ないのです。今、1100名のメンバーがいるチームラボは、おそらくこの分野だと、世界最大のチームだと思います。そして、様々な専門性が必要になるこの分野に必要なプロフェッショナルが揃っています。

最後に

長くなりましたが、チームラボはエンジニア・クリエイターが中心の会社ですが、カタリストのバックグラウンドは、デザイナー・エンジニア・建築のメンバーから、僕のようなコンサルティングまで多岐に渡っています。

この有り余るチームラボの可能性を一緒に実現していってくださる方を大募集しています! お待ちしています!


いかがでしたでしょうか?
今回のインタビューでは、前職コンサルティングからチームラボのアートカタリストに転身して10年以上働いているメンバーにチームラボ初期の頃のストーリーを話してもらいました。
前職の経験は不問ですので、少しでもチームラボのアートプロジェクトを一緒に作ってみたいと思っていただけたら、是非ご応募ください!


現在チームラボでは、一緒にものづくりをするメンバーを募集しています。
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次回の「メンバーインタビュー」シリーズもお楽しみに!

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