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【Featured Projects 2023で講演】チームラボがICT空間設計を行った義務教育学校「安平町立 早来学園」について

こんにちは!チームラボ採用担当です。

チームラボは、国内外で大規模な展覧会を開催するとともに、アプリ開発やWebサービスなどを通して、企業や地域の課題解決に取り組んでいます。

そんなチームラボが手がけた義務教育学校「安平町立 早来学園」が、2023年4月に開校しました。このプロジェクトの制作背景や内容について、チームラボの創業メンバーである堺が「Featured Projects 2023」で講演したので、当日の様子とともにnoteにてレポートします!

イベント概要

Featured Projectsとは
「Featured Projects 2023」は“よいものづくりは、明日を拓く”をコンセプトに開催するデザイナー・クリエイターのためのデザインフェスティバルです。会場内では本テーマを軸に、デザインの時流を組み込んだ「トークセッション」「ミートアップ」「ワークショップ」「展示」「クリエイターズマーケット」といったプログラムを実施。TVデザイナーやクリエイティブ領域に関心のある方々が集い、ものづくりについて考える2日間です。

引用: PR TIMES

講演の様子

▲当日登壇したチームラボ創業メンバーの堺
▲デザイン・教育・ 空間 / 建築・エンジニアなど様々な分野の方々が講演に参加

「安平町立 早来学園」プロジェクト発足の経緯と概要

2018年9月に発生した北海道胆振東部地震により早来中学校の校舎が利用できなくなり、新たに校舎を設立することになりました。

安平町民と児童・生徒が考えた「みんなの学校」「自分が世界と出会う場所」をコンセプトに、チームラボは4つの小中学校と公民館図書館を1つの建物に統合し、学生や地域住民間でのコミュニケーションを促す”共創の場”となる新しい学校をICT空間設計により実現しました。

安平町ってどんなところ?
・北海道の南西部に位置する人口約7,300人(2023年4月1日時点)の町
・人口密度が1k㎡当たり約40人と北海道平均の約68人から大きく下回っており、地域で何か活動する際に人と関わる機会の少ない環境
・令和2年5月1日時点、町内の小学校の児童数は332人、中学校の生徒数は166人で、人口減少とともに児童生徒数の減少も続いている

「共創」のきっかけとなる場所をICTで作る

安平町の子供たちは学校の先生や家族以外の大人と関わる機会が少なく、
それにより様々な人との関わりから生まれる「体験としてのインプット」を増やすことが難しい環境となっていました。

そこで、早来学園ではICTを使い、ひとつの空間に「学校」と「地域のコミュニティセンター」の機能を共存させることで、「共創」のきっかけとなる場所となるようチームラボは提案しました。

▲完成した「安平町立早来学園」の図面

ICT空間設計とは
デジタル・ICT(情報通信技術)を活用することで、空間の役割を大きく変えること。既にある空間に対してデジタル・ICTをどう当てはめるのかではなく、デジタル・ICTを使うことを前提とした空間設計を行うことで、より効果的な空間を実現できるとチームラボは考えている。

チームラボが提案したソリューション

①予約システム

▲施設の予約ができるWebサイト「ABIRA SHARE」の企画、開発、UI/UX設計、デザインも
チームラボが担当

児童・生徒が授業で利用する「家庭科室」「美術室」「音楽室」などの教室を、地域住民がWebサイトから予約し「キッチン」「アトリエ」「スタジオ」として自由に利用することができます。

② 児童・生徒と地域住民の入れる場所を安全に区分け

シェアできる教室の扉にはスマートロックが設置されており、予約システムと連動しています。児童・生徒が授業で教室を利用している時間帯は、地域住民側の扉が施錠されて教室に入ることができません。

同様に、地域住民が予約して利用している時間帯は児童・生徒は教室に入ることができません。利用状況に合わせて扉をICT制御することでセキュリティを担保しています。

また、建物の入口を児童・生徒用と地域住民用で別々に設置することで、児童・生徒のセキュリティを担保しました。地域住民の入口は図書館(児童・生徒から見た「図書室」)の入口でもあるため、地域住民は気兼ねなく利用することができます。

▲児童・生徒は顔認証で建物内に入ることが可能
▲児童・生徒の入口
▲地域住民の入口

③ シェアできる教室の利用状況をタブレットやサイネージから知る

シェアできる教室の扉横にはタブレットを設置し、いつ・どのような内容で教室が利用されるのかを、児童・生徒、地域住民が知ることができます。

▲サイネージは建物内の至るところに
▲教室の中で何をやっているのかを一目で知ることができるタブレット
▲学校以外の場所からも活動内容を知ることができる

学校内や役場などの人が集まる場所に設置されたサイネージには、教室の活動情報が表示されるため、学校に集まるきっかけを作ります。
現在、町のレストラン等にもサイネージの設置を進めています。

④ シェアできる教室を学校の中心に配置し、中の様子が見える

▲社会との関係性を理解し始める小学5,6年生の教室をシェアスペース周辺に設置予定

シェアできる教室のうち、家庭科室・美術室を学校の中央に配置し、各教室の入口を2つ用意することで、学校、地域のどちらの空間からも簡単に教室にアクセスができるようにしました。

その他の教室(体育館・音楽室・図書室)も同様に、教室には大きな窓があり、教室の中で行われている活動は、学校、地域のどちらからも見ることができ、教室を使う児童・生徒と地域住民の距離が近づきます。

▲大きな窓を通してお互いの活動を見ることができる

いかがでしたでしょうか?

2023年8月には大型イベントも予定していますので、ご興味のある方は
ぜひ新たな学校を体感しに遊びに行ってみてください。

「安平町立 早来学園」の全容はこちらの動画からもご覧いただけます!

現在チームラボでは、一緒にものづくりをするメンバーを募集しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度オンライン説明会にご参加ください!

\ 新卒・中途など現在のご状況に関わらずどなたでもご参加いただけます /

《今回のプロジェクトを担当したチーム》

▪️ソリューションカタリスト

▪️ UI/UXデザイナー

▪️ フロントエンドエンジニア


最後まで読んでいただきありがとうございました! ぜひ一度オンライン説明会にもお気軽にご参加ください🙌